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エドワード=バーネイズ著『プロパガンダ教本』の紹介

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生活の知恵

はじめに

エドワード=バーネイズについての簡単な略歴を本誌から抜き書きしておきます。

「広報・宣伝(PR)の父」と呼ばれるアメリカ人広報マン。1891年ウィーンで生まれ1995年没したが,戦争宣伝から商品の売り込みまで,ありとあらゆる宣伝活動(プロパガンダ)に従事した。心理学者ジークムント・フロイトの甥であり,多様な心理学手法を駆使して世論操作,大衆の合意形成を行う。「プロパガンダという技術をプロパガンダする」目的で書かれた本書は,W・リップマン『世論』と並び,PRマン,広告関係者必読のバイブル的な存在となっている。

Hiro
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※この本は,1928年に出版された本を2007年に日本語に翻訳して出版されたものになります。よって本文の内容はかなり古いものになっていますので,気をつけてください。

Hiro
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 この本を読んでみましたが,内容は当たり前といえば当たり前のことが書いてあるので,あまり驚きはありませんでした。

問題1.

プロパガンダ,それは大衆の心をコントロールする技術のことです。このプロパガンダについてバーネイズはどのように考えているでしょうか。次の選択肢から選んでください。

  • ア.現代社会における集団生活の秩序を失わないようにするために,世の中の一般大衆が,どのような習慣を持ち,どのような意見を持つべきかといった事柄を,相手にそれと意識されずに知性的にコントロールすること――は,民主主義を前提にする社会において非常に重要である。
  • イ.ニュースを報道する側の情報操作や不遜さ,さまざまな誇大広告が生まれる問題をみてもこのプロパガンダは大問題である。大衆が買うべき商品,投票すべき政治家,ふさわしい社会思想などが一方的に大衆の意識に植え付けられ,悪用されているのでプロパガンダをこの社会から無くしていかなくてはいけない。
  • ウ.その他の考え。

Hiro
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正解は,アです。ネイバーズは次のように書いています。

理屈のうえでは,誰もが,市場に出回っているうちで最も品質がよく,最も安い商品を買うことになっている。しかし,実際には,時間をかけて市場調査をすることなどできない。仮に,誰もが何かを買う前に,何十もの石鹸や布地やパンの価格を調べてまわり,科学的な検証を行なっていたら,経済活動がまともに機能しなくなってしまう。そのような混乱を避けるために,現代社会では,ありとあらゆる宣伝行為(プロパガンダ)を通して,注目すべき考えや物の選択の幅を狭めることにしている。だから,大衆の目が,自分たちの訴えようとしている政策や政治思想,商品に向くように,それを売り込む側は,大変な労力を常に払っているのである。

問題2.

ある日のニューヨークタイムズの一面には次のような記事が書かれていました。その中でプロパガンダといえるものは,どの記事だとネイバーズは考えているでしょうか。ただし,1つとは限りません。

  • ア.「救済より改革が先だ。十二か国が中国に警告」
  • イ.「ユダヤ国家建設は失敗に終わる,とブリュット氏」
  • ウ.「不動産業者が輸送調査を要求」
  • エ.「生活水準は過去最高。フーヴァー報告書」

Hiro
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答えは,ア.イ.ウ.エ.全てがプロパガンダです。本書によってその解説を書いておきます。

アについて,アメリカ国民に対して米国務省の立場を示すのを目的として,「国務省によって本日発表された」ものだからです。記事に書かれた情報の出所がその情報に権威をあたえます。その結果,アメリカ国民は国務省の見方を受け入れて支持することになる。イについて,この見解がカーネギー財団の名前で放送を通じて宣伝されました。そうすれば国民がそれを聴いて信じるからです。ウとエについて,第三と第四の記事は,ニューヨーク不動産委員会の会長による声明とフーヴァー商務長官の景気に関する報告書は,同じように,国民の目を一つの見解に向けようとする意図があります。

全ての商品は誰かに支配されている

何百万人もの運命を左右する姿の見えない支配者は確かに存在します。しかし,影響力を持つとされる人物の発言や行動のどの程度までが,彼らを背後から操る利口な人物に指示されたものかということは通常わかりません。ここで重要なのは,これらの権威者たちによって,私たちの考えや習慣がどの程度まで変化させられるかという点であります。本文には,スーツを購入する場合や靴,ダンスの流行などを挙げています。要は全ての商品は誰かに支配されていると言っていいでしょう,とバーネイズは書いています。

プロパガンディスト

大企業と,その経営についての考え方を大衆に伝え,大衆が何を考えているかを,大企業とその宣伝担当者へ伝えるという橋渡し役を専門とするプロパガンディストは,「パブリック・リレーションズ(PR)・コンサルタント」という名前で知られるようになりました。

世論を味方にできるか

このPRを行う新しい専門職は,現代社会がますます複雑になっており,ある人々の活動を別の人々に理解させる必要性が常に存在することから成長してきました。また,それは,あらゆる組織の権力者がますます世論に依存するようになってきているためでもあります。君主制でも立憲制でも,民主主義あるいは共産主義でも,政府の活動が成功するかどうかは,世論を味方にできるかにかかっています。

問題3.

プロパガンダは科学と言えるでしょうか。バーネイズはどう考えているでしょうか。

  • ア.科学と言える。
  • イ.科学と言えない。
  • ウ.科学ではないが,科学的なところもある。
  • エ.その他

Hiro
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バーネイズは,著書の中で次のようなことを書いています。

社会に存在する「姿の見えない統治機構」が,ある集団の内の人間を動かす動機を操作することができる―この事実が,大衆心理学の体系的な研究によって明らかになった。プロパガンダは実験室内で行われるような厳密な科学ではないが,実際に大衆の真理を観察して得た確かな情報と,一貫して比較的不変であることが実証された原理の両方を応用しているという意味では,プロパガンダは科学的だと言える。

Hiro
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答えは,ウです。

例えば・・・

ある男性がオフィスにたたずんで,どの株を購入したらよいかを考えているとします。この人物は,自分の判断に基づいて株式の購入計画を立てているのだと何の疑問も持たずに思っています。しかし,実際には彼の下す決断は,無意識に彼の考えをコントロールする外部から与えられた影響によって形づくられたイメージに基づいているということです。

問題4.

バーネイズは,教師もプロパガンダをしなくてはならないと述べています。一体何をプロパガンダするべきなのでしょうか。バーネイズが考える教師のプロパガンダは次のうちどれでしょうか。

  • ア.教職員の権威と本質的な地位の向上をはかる。
  • イ.教育の重要さを訴える。
  • ウ.学校の資金問題を解決する。

Hiro
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答えは,ア.イ.ウ.全てが正解です。要は,どんなことでもやり方によってプロパガンダは可能であるということだと私は,理解しました。

プロパガンダというのは

「プロパガンダというのは,大きな意味としては,大衆を誘導して自分の意のままに動かすことです。プロパガンダが社会にとって建設的な目的を実現するためのツールとなり,そしてそれが混沌とした大衆社会に秩序をもたらすために有効で,現代的なツールであることを認識しなければならない」と,いうバーネイズの言葉でこのレポートを終わりにします。

Hiro
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最後まで読んでいただき,ありがとうございました。

資産形成は,投資信託から。
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