著者紹介:Samuel.P.Huntington(サミュエル=ハンチントン)
1927年ニューヨーク生まれ。ハーバード大学政治学教授。同大学ジョン・オリン戦略研究所ディレクター兼務。1977~78年米国国家安全保障会議,安全保障政策担当コーディネーターを務める。アメリカを代表する戦略論の専門家。政治学,戦略論,国際関係論に関する著作は『文明の衝突』(集英社)『第三の波:二十世紀後半の民主化』(三嶺書房)ほか多数。
Hiro
本書の『文明の衝突と21世紀の日本』について,読む前に私なりに本書の内容を予想してみました。
Hiro
私が題名から考えると本書の内容は,おそらく21世紀の日本についての現状と今後日本国政府が国内や諸外国に対してどのような行動を行っていくのかが書かれているのではないかと思いました。
Hiro
そこで,私が本書の内容を予想したことについて以下に書いてみます。
2024年,現時点で日本にはアメリカ軍が駐留しています。このことは,私的には経済面においても防衛の面においてもアメリカが日本を支配するために駐留しているとしか考えられません。すなわち,日本人自らが<自分の国は自分で守る>という強い信念が国民の常識にならなければ,半永久的にこのままアメリカ軍は駐留するだろうと考えています。仮に東アジアで戦争が起こった場合,日本はアメリカの防波堤になるということに他なりません。最悪の場合,日本の地は再び戦場になり,多くの日本人が死んでしまうのではないかと危惧しています。戦争になる場合の相手国は,3つ考えられます。それは,中華人民共和国,ロシア,北朝鮮の3つです。戦争を回避するためには外交の努力が必要になるのはもちろんですが,どうしても日本の核武装が必要になるのではないか,と私は考えています。日本が核武装すると宣言した途端にアメリカは激高するはずです。日本がアメリカの言うことを聞かなくてもよくなるからです。アメリカにとって日本は言うことを聞く,衛星国であり,経済的にも大きな恩恵を受けられる国だからです。これから先もアメリカに日本の莫大なお金が吸い上げられ,日本は経済的に弱い国になっていくはずです。情けないことに日本国は,日本人の考えで外交ができない状態になっています。第二次世界大戦で負けてから,この状況は一貫して変わっていません。日本人にとって,まだ敗戦によるアメリカの支配が続いているのです。
日本は宗教的には神道の国です。しかも日本は島国であり,陸上に国境はありません。世界のどこの文化圏にも属していません。日本は日本文化のままで生活できるかもしれません。ただし,これから日本の100年先を見るとして,このまま移民が増え続けると日本の文化は荒廃していくかもしれません。特に一神教を持つ人々や中国人が増えると,日本人はその方々に対して,対処できなくなるかもしれません。日本では無い国になるかもしれません。そのためには,日本人のための憲法を作り直さなくていけません。日本の土地や日本人の人権や文化を守れるような憲法にしなくてはいけないのです。このことは非常に難しいことは理解できます。アメリカの妨害があるからです。どうやったら上手に日本国を守れるか,日本人の知恵を出していかなくていけないでしょう。おそらく,日本人にはできると思います。残念ながら,私は何もできませんでしたが,これから先日本を守れる人が出てくることを強く望みます。
Hiro
以上が本書に書かれている内容についての私の予想になります。
Hiro
本書を読んでみると,私の予想は完全に間違いであることがわかりました。ハンチントン氏は,自分の文明論から導きだされる日本や世界の国々を見た概論を述べているにすぎません。
Hiro
これから先,日本がとるべき具体的な内容にはまったく触れていませんでした。要は,彼の元の著書『文明の衝突』を簡単にまとめたものにすぎず,この題名『文明の衝突と21世紀の日本』は,日本が行動すべき具体的な内容については書かれていませんでした。
Hiro
仮にこの本のキーポイントを示せと言われたとすると,私は次の2つを示します。
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冷戦時代は政治のイデオロギーによって,「自由世界」「共産圏」「第三世界」という3つのグループに分かれていた。現在は,文化ないし文明という要素によって「西欧文明」「イスラム文明」「東方正教会文明」「中華文明」と,国家のグループができている。その他に,「日本文明」「アフリカ文明」を入れてもいい。
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冷戦時代は,2つの超大国の支配する二極体制だった。いま出現しつつある世界の構造はもっと複雑であり,一極・多極体制とでも呼ぶべきものだ。1つの超大国アメリカと特定の地域を支配できる7つか8つの地域大国である。
東アジアでは,数十年間にわたって経済がいちじるしい発展をとげたため,どの国も軍事力を強化することができた。そして東アジアは,ヨーロッパにかわって強国同士の競争が最も激しい地域となった。
以上です。
Hiro
この本の内容をあなたに知っていただくために2つの問題を用意しました。気軽に答えていただければと思います。
ここで問題です。
問題1.昨今,イスラム世界の中,及びイスラム世界とその周辺地域では紛争が起きています。その数は他の同じ文明に属する人々がたがいに争うよりもずっと多いのです。それでは,こんなことが起こるのはなぜでしょうか。筆者はどのように考えていると思いますか。次の選択肢から選んでください。ただし,正解は一つとは限りません。
予 想
ア.イスラムには秩序を維持し,規律を正すような中核国家が存在しないから。
イ.イスラム国家の出生率が高いから。
ウ.イスラム教は一神教だから。
エ.その他
Hiro
正解は,ア.イスラムには秩序を維持し,規律を正すような中核国家が存在しないからと,イ.イスラム国家の出生率が高いから,になります。
現在のイスラム教徒が暴力に頼りがちな原因の1つは,オスマン帝国の没落以来,イスラムにはリーダーシップを行使できるような中核国家が存在しないからです。人口を見てみると,15歳から24歳までの「若年人口の激増」を生み出しているのです。歴史的にみても,この世代の若者が人口の20%以上を占めると社会は不安定になり,暴力や紛争がエスカレートする傾向があるそうです。やがて,イスラム教徒の年齢が高くなっていくにつれて,北アフリカ,バルカン諸国,中東,そしてすべての場所で,イスラム教徒の激情は沈静化していくだろうと述べています。そのとき,イスラム諸国とその隣国との間に,より穏やかな共存への道が開かれるでしょう,とハンチントン氏は書いています。
国際関係の理論からすると,新興勢力にたいして,他の国家は「勢力の均衡を維持する(バラシング※1)」か,またはその勢力に「追随する(バンドワゴニング※2)」か,どちらかの対応策をとる。1世紀前に世界の舞台にあらわれて以来,日本は,一貫してバンドワゴニングの戦略をとり,勢力のある大国と同盟を結んできた。
バラシング※1とは<バランスを取る>というに意味に近いです。
「バンドワゴン※2」は「パレードの先頭を行く楽隊車」を意味しています。 パレードで楽隊車の後に行列が続くさまをイメージして、バンドワゴン効果と名付けられました。
Hiro
東アジアの命運は,まさにアメリカと中国,日本の3国の相互関係にかかっている。アメリカが力を落としつつある今,東アジアの将来の平和と幸福は,日本と中国がともに生き,ともに進む道を見つけることにかかっていると,ハンチントン氏は書いています。「おそらく,日本と中国はともに進む道などみつけられない」と,私は考えています。日本と中国では,文化の違いが大き過ぎるからです。
西欧文明は,現在はもちろん,今後数十年のあいだも強力な文明でありつづけるだろう。だが,他の文明にたいする相対的な力は衰えつつある。ほかの中華文明やイスラム社会は自分たちの経済力と軍事力を強化し,西欧に抵抗して,西欧との「バランス」をはかろうとする。このように,冷戦後の世界の中軸をなすのは,西欧文明の力と文化,ならびに非西欧文明の力と文化の相互作用なのである。冷戦後の世界は7つあるいは8つの主要文明の世界である。地域紛争のなかでも広範な戦争にエスカレートする恐れが強いのは,文明を異にするグループや国家のあいだの紛争である。国際問題の重点は文明の違いにかかわっている。長期にわたって支配液だった西欧文明から,非西欧文明へと,力は移行しつつある。国際政治は多極化し,かつ多文明化したのである。
人類の歴史は文明の歴史である。それ以外の見方で人類社会の発展を考えることはできない。有史以来,文明は人びとに最も広い意味でのアイデンティティを与えてきた。
「文明とは何か」というと,人によって定義が異なる。ハンチントン氏は,人類の歴史における主要な文明は世界の主要な宗教とかなり密接に結びついている,と書いています。また,人が文化的な特徴によっていくつかの文明に分類されるのと同じように,人は肉体的な特徴によっていくつかの人類に分類される。だが,文明と人種は同一ではない。と断言しています。つまり,人間の集団の最も重要な特徴は,その価値観,信仰,社会制度,社会構造であって,体格や頭部の形や肌の色ではない,ということになります。文明は意味のあるまとまりをなしていて,文明の境界が明確な線をなすことは滅多にないが,それでも境界は実際に存在する。文明は滅びる運命にあるが,きわめて長命である。文明は持続するが発展もする。それらは動的であり,栄えたり衰えたりするし,結合するかと思うと分裂もする。文明は姿を消して,ときに埋もれてしまうこともある。文明は紛争や衝突の時期を経て普遍的な国家に発展し,やがて衰えて崩壊する。文明は文化的なまとまりであり,政治的なまとまりではない。現代の文明は以下のようになる。
・中華文明
・日本文明(重要な孤立国)
・ヒンドゥー文明
・イスラム文明
・東方正教会文明
・西欧文明
・ラテンアメリカ文明
・アフリカ文明(存在すると考えた場合)
Hiro
ハンチントン氏の考える文明のイメージは,下図になります。
Hiro
文明は文化の集合であり,文化には言語・歴史・宗教・生活習慣・社会制度などの共通した客観的要素から成ります。一番の大元は,人々の主観的自己認識(アイデンティティ)ということになります。
ここで問題です。
問題2.アメリカは多文化主義だとハンチントン氏は書いています。それでは,この多文化主義によって近い将来,アメリカはどうなると書いているでしょうか。
予 想
ア.多文化主義によってアメリカはこれからも発展していくだろう。
イ.多文化主義によってアメリカはこれから破滅していくだろう。
ウ.多文化主義によってアメリカはアメリカでなくなり,連合国家になっていくだろう。
エ.その他
Hiro
正解は,ウです。ハンチントン氏は次のように書いています。
歴史の教えるところでは,どの文明にも属さず,文化的な核をもたない国が永続できたためしはない。つまり,多文化的(多文明的)なアメリカはアメリカでなくなり。連合国家になるだろう。
Hiro
本書の最後にハンチントン氏は,次のことを述べています。
「来るべき時代には文明の衝突こそが世界平和にとって最大の脅威であり,文明にもとづいた国際秩序こそが世界戦争を防ぐ最も確実な安全装置なのである。」
Hiro
さて,どのように国際秩序を構築すればよいのでしょうか。具体的なことが何も書かれていないので,我々はどうすればいいのでしょうか。日本の摂る道について,どう考えればいいのでしょうか。
Hiro
エマニュエル=トッド氏は,北朝鮮が核を持てば日本も核を持つ必要があると言ったそうです。これから先の世界はどうなっていくのか,私には見当もつきません。
Hiro
「冷戦が終わって,これで世界平和が訪れる」と私が考えたのは間違いだったということです。私は,仮説実験授業が世界に広まらないと世界平和は無理な気がしています。
Hiro
Shige
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