岡田斗司夫著『人生の法則』の紹介
血液型で人の性格を決めたり,星座で人の行動を占ったりすることについてあなたは,どう思いますか。
私は,「ばかばかしい」と考えていました。ところが,岡田斗司夫氏の考え方を知って,私は「んっ!?,なるほど。そうくるか!」とうなってしまいました。どうしてか,これから説明していきましょう。
岡田氏は,人は「欲求の4タイプ」に分かれるといいます。それは,<注目型・司令型・法則型・理想型>の4タイプです。ヒロじいの私がテストをした結果,私は法則型ということがわかりました。
さて,ここで4つの型について岡田氏に説明してもらいます。予め申し上げておきますが,この分類法は,科学的根拠は一切ありません。
はじめに,人は大きく2つに分けられます。人間が外向的か内向的かです。外向は,外務省の外交ではありません。何か事件が起こったときに原因を外に向けるか,自分自身に向けるかの違いです。
外に向けるとは,「誰がやったのか?」とか「それは,何があったのか?」とか考える人のことです。反対に内向的とは,それは「自分のせいじゃないのか」と考える人のことです。
もう1つ,人間は具体的か抽象的かの2つに分けられます。何か事件が起こったときに,物事を抽象的に考える人か具体的に考える人かの2つです。図1で表すと以下のようになります。
図1
- 上側2つが,外向的。
- 下側2つが,内向的。
- 右側2つが,具体的。
- 左側2つが,抽象的。
1.4つのタイプについて,岡田氏に具体的に説明してもらいましょう。
2.4タイプにおけるいくつかの法則を岡田氏に説明してもらいましょう。
①対角線の法則
グラフ上の対角線同士は,互いの欲求がほとんど理解できません。司令型と理想型が対角線の関係,注目型と法則型も対角線の関係です。図2
図2
②優位劣位の法則
別に優位の方が優秀であったり,優れているという意味ではありません。職場の同僚でも友達でも,なぜか憧れを感じたり,その人の言うことにはつい従ってしまったりすること,ありますよね?そういう人はあなたにとって優位のタイプです。図3
逆に,ついつい軽く見てしまったり,イラッとしたり,かわいく感じたりする相手もいると思います。そういう人はあなたにとって劣位のタイプです。図4
図3 図4
③右回りの法則
調子がよいときには,自分が憧れる右回りの欲求を満たそうと頑張り,調子が悪くなると左回りの欲求で我慢しようとする法則です。
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いくつかの確認事項
「性格と4タイプは別」です。タイプは同じでも性格は違うのです。また,人間の内面を構成する要素には4タイプの他にも「性格」「習慣」「生い立ち」「教育」などいろんな要素が混在しています。
図5をご覧ください。これが人間の「人格」の模式図です。
図5
第7層に「本能」があります。第1層に「キャラ」があります。これは内面というよりも「人からどう見られて」「対外的に,どんな人格を演じているか」という,人から受けている評価に近いものです。「キャラ」の下,第2層が「外見・見た目」です。この2つの階層を私たちは「外面」と呼んでいます。「内面」に対応する言葉です。
では,その「内面」とは何か?私たちが通常考える「内面」の一番奥底は「性格」です。図5では第5層,かなり心の奥底です。引っ込み思案とか派手好きとか目立ちたがりとか,そういうのが「性格」です。4タイプよりもはるかに種類が豊富,おそらく数十種類はあるでしょう。「性格」の2つ上の階層,第3層には「行動・習慣」と「生い立ち」「教育」があります。「行動・習慣」とは浪費癖とか怠け癖など,行動パターン。「生い立ち」は自分で選べずに身についてしまった価値観や行動様式。「教育」は自分で選んだ価値観や行動様式です。この組み合わせは事実上,無限でしょう。
「貧乏な家に生まれたけど,勉強して東大に入った」というのは,「生い立ち=貧乏」「行動様式=勤勉」「教育=最高学府」というように,分類できます。これが第3層。第5層の性格,例えば引っ込み思案と,第3層の「行動・習慣」と「生い立ち」「教育」,それに第4層の「属性(性別・国籍)」,これらをすべて足せば,「内面」です。すなわち,私たちは「内面を見る=第3+第4+第5層を見る」だと思っているのです。
第5層「性格」のさらに奥底,第6層にあるのが「4タイプ」,すなわち「欲求の偏り」です。
3.なぜ4タイプは存在するのか?岡田氏の説明はこうです。
結論から先にいいますと,それは「文化」をうまく確実に伝えるためです。では,なぜ「文化」は存在するのか?それは人間の壊れてしまった「本能」を肩代わりするためです。
たとえば江戸文化という具体例で考えてみましょう。たった一人の人間で江戸文化は伝えられるか?不可能です。膨大な行動様式やしきたり,言葉や流行,唄や踊りなど一人の人間が覚えたり体現をしたりはできません。では「江戸文化」が保存されるには,存続するには何人ぐらいの人間が必要か?100人でも無理。1000人でもまだ不安です。1万人いれば,大丈夫かもしれません。
では,それだけの人数の人間が,全員「正しい,同じ江戸文化」を維持するにはどうすればいいのか?ここで4タイプが登場します。4つのタイプごとに役割があり,「文化」という大きな概念を伝えるには,数千人以上の規模の人間たちが「群れ」として行動した方がうまくいくのです。
このように,人間が作り上げた多種多様な「文化」という目に見えない生物が私たちの上にいると想像してみてください。そいつらが生存競争を繰り広げている。そいつらが生き残ろうとしていて,生き残る手段として私たちを使い捨てしようとしています。だからある価値観のために人間が死ねる。家族のために死ねるというのは,たとえば「それが父親だ」「それが母親というものだ」という分化があるからです。
けっして本能ではありません。母性本能の存在は科学的にも否定されているのですから。だいたい私たち人間の個体維持から考えると家族のために死んでもしょうがない。自分が生き延びてもう一度ひとりでも多く子どもを作った方が絶対にいいはず。ほとんどの野生動物はそういう行動を「本能」として選びます。
「人間は本能が壊れた生物だ。その代わりに文化・文明を発達させた」これが現在のところ,定説となっています。私たち人間にとっては個々の個体維持,すなわち自分個人の生き残りよりも,「文化」の方が大事になってしまったのです。
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4つのタイプに人間が分かれる理由は,割愛します。4つの因子(魅惑・指導・理念・法則)が個々人の心の中に発現するときの偏りによると岡田氏は書いています。
いよいよこのレポートの本題に近づいてきました。「私達の幸せとは何か」について岡田氏に説明していただきましょう。
4.私達の幸せとは何か
私たちの生きる意味=人生の目的とは何でしょう。それは,文化を,情報を,人から「受け取って」「考えて」「真似して」「伝える」ことです。文化を,情報を,人から「受け取って」「考えて」「真似して」「伝える」ことこそ,人生の目的であり,私たちの幸せだと岡田氏は書いています。
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さて,岡田氏の考え方は,いかがでしたか。このレポートでは,書ききれなかった部分が多々あります。ぜひ一度『人生の法則』を読まれることをお勧めします。
私は,「人間の幸せは,DNAと同じ。つまり自分の子孫を残せたら幸せなんだ」と考えてきました。ところが,岡田氏は「文化の伝承こそが人間の幸せなんだ」と述べています。人間は文化の継承のために戦争をするのでしょうか?文化の継承のために,自分の命を絶ったりするのでしょうか?岡田氏の考え方は,仮説のひとつとして自分の心に留めておくことにします。
最後まで読んでいただき,ありがとうございました。
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