あなたに,岡田斗司夫『ユーチューバーが消滅する未来』という本の紹介をします。
岡田氏は未来を予想するのが得意です。なぜかというとSF小説や一般の本を大量に読んでいるからです。
岡田氏は,ソフトバンクの孫氏の未来予想について次のように述べています。「彼(孫氏)は,未来の描き方が技術に対してのみであり,新しい技術が社会へどう影響するのかを考えられていない」と,厳しい評価をしています。
堺屋太一やアルビン=トフラーさえも未来を社会体制も含めて予測することはできませんでした。しかし,岡田氏なら予想できるかもしれないと私は思っています。数年前,岡田氏が書いた本の未来予想が大方現代に合っているからです。
彼の予想は,この社会は<評価経済社会>と<ホワイト社会>になるだろうということでした。すると,彼が言うように現在,食べログやメルカリ,ネット通販のように購入者の評価によって成り立つような社会になりつつあります。
また,不倫をした人や反社会的なことをした人は,テレビやネットで叩かれるようになっています。昔の芸能界は何でもありの様相でしたが,今では人気者であっても不正義なことをすると社会的制裁を与えられるようになってきています。
そこで,今回,岡田氏に30年先の未来社会を予想してもうことにします。30年後,今の社会は,どんな世界になっているのでしょうか。
今回もあなたに問題を解いて頂くというスタンスで進めていきたいと思います。問題の解は,岡田氏の単なる予想ですので,気楽に選択肢を選んでくださるようお願いします。
それでは,さっそく問題です。
予 想
- ア.ある。(子どもには友達が必要であり,コミュニケーション能力を高めるためにも教師が必要だから)
- イ. ない。(ネット上に現れるAI有名教師が主流になっていくであろう。普通の教師はいらない世界になっている)
- ウ. 教師という名前はあるが,仕事内容は全く違うものになっている。(教師は学習内容を教えないで,クラスの子ども達の支援者になっているだろう)
- エ. その他
岡田斗司夫氏が考える答えは,イです。つまり,<教師という仕事はなくなる>ということです。では,誰が子ども達に教えるのでしょうか。それは,AIです。
「ネット上のAIが児童・生徒に教えることになるだろう」と,彼は書いています。だとすれば,人間同士のコミュニケーションについては,どうやって教えるのでしょうか。岡田氏は,「コミュニケーションが必要ない社会になる」とまで,はっきり書いています。
私は,未来の教師像はハイブリッドになるだろうと予想しています。つまり,AIが教える教科と科学(仮説実験授業)や人間性を教える生身の教師とが並立するような教室?個人宅?になるような気がします。つまり,私の予想はウになります。あなたは,どう予想しますか。
次の問題です。
予 想
- ア. 時間が経てば経つほど,何もしなければ収入の差が大きくなるということ。
- イ. 今の所得や教育によって将来的に格差が広がるということ。
- ウ. これから,格差は益々拡大していくということ。
- エ. その他
答えは,アとウになります。イも正解のように思えますが,岡田氏は次のように書いています。
「今の所得や教育だけでは,未来を生き延びることはおそらく不可能になるでしょう」。つまり,どんなにいい学校へ行こうが,どんなにいい会社に入ろうが,生き延びることはできないという意味です。
だとしたら,どうしたらいいのでしょうか。それは,未来がどうなるか常に意識し,自分の行動に反映できるかにかかっています。いくつもの多様な仕事に関わって,収入源を複数持っていた方が,リスク分散になる,ということです。大きな収入を得られる人は,全体の5%もいないだろうと,岡田氏は予想しています。
ここで,問題です。
予 想
- ア. もはや真実かどうかは,問題ではなくなっているから。
- イ. 我々は,「どの文化を信じるか」を選択するようになっているから。
- ウ. SNS上では,日常的にウソを発表している人が五万といるから。
- エ. その他
答えは,イです。台湾に九ふん(きゅうふん)という観光地があります。九ふんに行く人は,台湾の九ふんを見るのが目的ではありません。「『千と千尋の神隠し』みたいだ!」と言って,写真を撮ってSNSにアップする。それが目的になっています。
すでにこの世界は,現実よりも「盛った」ものを優先するようになっています。フェイクニュースの原理もこれによく似ています。フェイクニュースサイトに人がなぜ集まるかというと,「現実がより面白くなるから」です。
こうした流れは,現代社会の文化になっているのです。次のトレンドはスマートグラスだとか,AR(エクステンデッド・リアリティ 訳:拡張現実 リアルな現実の風景に,さまざまな情報を付け加えて見せる技術のこと)だというのはよく聞く話ですが,もっと重要な変化は,それぞれの人が「自分の解釈で世界を見る」ということだと岡田氏は言います。
ここで,問題です。
予 想
- ア.ネットフリックス,アマゾン,メタ,マイクロソフト,ディズニーのうちのどれかしか生き残っていない。
- イ.次から次へと新しいコンテンツを生み出し,配信できるサービスの一強になる。
- ウ.その他
正解は,イです。民衆の関心は「今」「最新」だけになってきています。
ネットフリックスやアマゾンのような動画配信サービスがゲームを作るようになるかもしれないし,ゲーム会社が映画的な演出を取り入れた仮想世界を進化さえているかもしれません。グーグルがAIユーチューバーを流行らせているかもしれません。いずれにせよ,その時点での「今」をいかにうまく提供できるかにかかっているでしょう。
ここで,問題です。
予 想
- ア.アイドルは貴族になる。
- イ.象徴としてのアイドルがこのまま続いていく。
- ウ.アイドル文化は変遷しているので,予想することは困難である。
- エ.その他
この世は乱世になっていきます。力のある人(能力の高い人)だけが,お金持ちになったり,いろいろな世界で活躍できたりするようになります。
同じように,何かの分野で第一人者になるとか,世襲制(両親がスター)とか,世界的に有名なユーチューバーやコスプレイヤーがアイドルになったりするだろうと岡田氏は予想しています。言いかえると,正解は,ア. アイドルは貴族になる,です。
人間の歴史では,社会の価値観が大きく変化するパラダムシフトが何回か起こっています。例えば,狩猟採集で暮らしていた人間は農業というテクノロジーを発明したことで,その日暮らしではなくなりました。
18世紀の産業革命も社会を変えてきました。産業革命以前は,例えば自分たちの着るものは自分たちで作っていました。蒸気式の自動織機のおかげで,家で作っているよりも品質のいい服が大量生産されるようになりました。
さて,今の最大の変化はネットです。インターネットによってこの世界は,社会の価値観が大きく変化しています。どのように変化していくのか,岡田氏によって予想してもらいましょう。岡田氏の予想ですから気楽に答えてください。真偽のほどは,誰にも分かりませんから。はじめに,アマゾンの未来からです。
予 想
- ア. 不動産取引を始める。
- イ. 人と人との(恋愛や仕事を含めて)マッチングを始める。
- ウ. 旅行会社的なことを始める。
- エ. その他
正解は,ア です。日本の不動産業界は,中身がブラックボクス化しています。それをアマゾンが<食べログ>のように透明性のある,土地や建物を評価できるようなシステムをネット上に立ち上げるのではないか,と岡田氏は予想しています。
予 想
- ア. ほとんどの若者がマッチングアプリを利用して,生身の人間と恋愛する。
- イ. バーチャル上のキャラクターと恋愛する。
- ウ. 若者は恋愛をしなくなる。
- エ. その他
正解は,イ です。若者は,恋愛はコスパが悪いと考えていて,気の合う仲間と過ごすことの方がより楽しいと考えています。
そのことは,ハロウィンパーティーが盛り上がっていることにも表れています。事実,日本記念日協会によると,2016年のハロウィン関連の推計市場規模は約1345億円と,約1340億円のバレンタインデーを初めて上回り,その後もハロウィンがバレンタインデーを上回る状態が続いています。
また,『ワンピース』は「仲間」をとにかく全面に出してヒットしています。確かに『君の名は。』や『逃げるは恥だが役に立つ』などの恋愛コンテンツが大ヒットしました。しかし,岡田氏は,いよいよ,恋愛がノスタルジーの対象になってきたという見方をしています。つまり,「リアルに恋愛しようとする人は一部の物好きになるでしょう」と,岡田氏は考えています。
その他にも,空飛ぶ車が僕たちの家になる,調理ロボットが料理を作ってくれる,AIロボットが家族と友達の役割をする,人工知能が政治を始める,人工知能が犯罪者の量刑を決める,などの予想を岡田氏はしています。
さて,いよいよ最後の問題です。
予 想
- ア. 起業する。
- イ. うまくやっている人の機嫌をとって仕事をもらう。
- ウ. 一流会社に入る。
- エ. ベーシックインカムが始まり,AIによって一般人の仕事は無い。
- オ. その他
岡田斗司夫氏が考える正解は,イ うまくやっている人の機嫌をとって仕事をもらう,です。岡田さんは次のように考えます。「人間にできる仕事は,5%の人類を除いて無くなるだろう。だから,成功した人に近づいて仕事をもらうしかない」と,書いています。
私の意見は,エ です。ベーシックインカムが導入されないと,ほとんどの人々にとって収入は無くなると予想しています。社会には,一般人が働けるような仕事が無いからです。さあ,本当の未来社会はどうなっていくのでしょうか。
これまでの問題以外にも,岡田氏が書いた本の内容を少しだけまとめたいと思います。未来を予測するための3大法則を岡田氏が書いています。
次の3つです。
①第一印象至上主義
②考えるより探す
③中間(ちゅうかん)はいらない
また,次のようなことも岡田氏は予想しています。
※
さて,みなさん岡田氏の未来予想はどうだったでしょうか。今の人間からすると,なんとなく怖い未来に見えてくるのですが,そう思うのは私だけでしょうか。
1つだけ言えることは,我々一般人にとって,未来がどうなるかを悲観しないで,やって来た未来を面白がった方が楽しい生き方なのかもしれません。
最後まで読んでいただき,ありがとうございました。
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