小学2年生のかけ算九九の教え方

かけ算九九の学習は、「かけ算九九を唱えて覚えるだけで良い」と考えている方がいます。

確かに,九九を覚えることは大切です。これから先,一生使うからです。

しかし,九九を覚えることは必要ですが,十分ではありません。

もっと大事なことがあります。

それは,「九九の意味」を理解することです。

「九九の意味って何?」

「かけ算の意味を理解する」ことで算数の理解力が確実にあがります。

ただし,子ども達にとって「かけ算の意味を理解する」ことは,そう簡単なことではありません。かけ算の意味を理解するための学習や練習が必要になるのです。

だから,かけ算の意味って何ですか。教えてください。

かけ算の意味とは,「一当たり量×いくつ分=全部の量」のことです。

どうすれば「かけ算の意味」がわかるのでしょうか。これから説明していきます。
1.<一当たり量×いくつ分>がわかる

例えば,次の絵を見てください。

この絵を次のように言います。
「リンゴが一皿あたり2個ずつ,3皿あります」

次の絵を見てください。

リンゴの数が同じで無い場合は,一皿あたり2個とは言いません。
この練習を何回か繰り返します。

例えば、豚が5頭ずつ,3部屋にいる。
風船が2個ずつ,9箱に入っている。
お菓子が8個ずつ,4箱に入っているなどです。
なるべく多くの例えを子ども達に考えてもらうと良いと思います。

次の絵を見てください。
どのように言ったらいいでしょうか。

「ストローが4本ずつ,5箱に入っています」と言います。

反対に
「ストローが2本ずつ,2箱に入っています」この文を絵に表しましょう。

ノートに描いてもらいます。

答えは,次のような絵です。

このような問題をいくつか繰り返します。
なるべくたくさんの例を子ども達に考えてもらうと良いでしょう。

例えば、ケーキが4個ずつ,4箱に入っています。この文を絵に表しましょう。
ドーナツが6個ずつ,2箱に入っています。この文を絵に表しましょう,
などです。
2.式に表すことができる

「一当たり量×いくつ分」が理解できるようになったら,それを式に表します。

例えば,
「リンゴが一皿当たり3個ずつ,4皿あります。」
この文の絵を描きましょう。

絵を描いたあとで,
「リンゴが一皿当たり3個ずつ,4皿あります。この絵を3×4という式で表します」と教えます。

リンゴの数を数えると、リンゴは全部で12個なので,
「式は3×4=12と表します」と教えます。

ここで、「一当たり量×いくつ分=全部の量」の意味を教えます。

同じような問題を何回か練習します。
例えば,

パソコンが一箱当たり5台,8箱あります。この文の絵を描きましょう。また,式に表しましょう。

チョコレートが一箱当たり4枚,6箱あります。この文の絵を描きましょう。また,式に表しましょう,などです。
3.式から問題を作ることができる

「6×3」の式になるような問題を作りましょう。

例えば,
「お箸が一箱に6本ずつ,3箱に入っています。お箸は全部で何本ありますか」というようなお話です。

絵に描きましょう。

お箸は全部で何本でしょうか。
お箸の数を数えると,お箸は全部で18本なので,式は6×3=18になります。

このような問題を繰り返します。

例えば,
「8×5」の式になるような問題を作り,答えも出しましょう。

ストローが一箱当たり8本,5箱に入っています。ストローは全部で何本ありますか。絵を描きましょう。式と答えを書きましょう,などです。
4.0のかけ算がわかる

「リンゴが一皿当たり0個ずつ,4皿あります」
式で表しましょう。

答えは、
0×4になります。

絵で描くと、

リンゴの数は全部で0個です。
なので、0×4=0になります。

同じように,一皿に0個のリンゴが何皿あってもリンゴの数は0個です。

なので,0のかけ算の答えはいつも0です。

それでは、
0×567,3458,9400の答えは何でしょう。

答えは,0です。

それでは,
0×ウルトラマン(こんな式はありませんが,うけ狙いです)の答えは何でしょう。
答えは,0です。
5.箱とストローで全ての九九を表すことができる

かけ算の意味がわかってきたところで,箱とストローを使っておさらいをします。
「6×3を箱とストローで表してください。ストローは全部で何本ありますか」

子ども達にはノートに絵と式と答えをかいてもらいます。

代表で子ども一人に黒板の前で実際に,6×3を箱とストローで表してもらいます。
正解であれば拍手,
間違いであればどこが違うのか説明してもらいます。

ちなみに正解は,(今回は,ストローの代わりにお箸を使っています)
クリックすると動画が流れます→https://youtu.be/YIolL1xPL6M

反対に,教師が箱とストローを使って表します。
例えば,
クリックすると動画が流れます→https://youtu.be/FNfZLrywd94

この式と答えと書いてもらいます。個々のノートに書いてもらうとよいでしょう。
答えは,3×6=18

このおさらいを、かけ算の意味が子ども全員に理解できるまで,毎時間少しずつ繰り返します。
例えば,

「2×5を箱とストローで表しましょう。答えも出しましょう」
絵を描きましょう。答えを出しましょう。
数えても良いし,覚えた九九で出しても良いです。
クリックすると動画が流れます→https://youtu.be/2FpQL7Cm3L4

答えは,2×5=10です。
6.上がり九九,下がり九九,ランダム九九のマスター

上がり九九とは,

になります。

下がり九九とは,

になります。

ランダム九九とは,
教師が,例えば「3の段上がり九九」と言います。
すると子どもが「3×1=3,3×2=6,・・・」と答えます。

教師が,「8の段下がり九九」と言えば,
子どもが「8×9=72,8×8=64,8×7=56,・・・・」と答えます。
要するに,教師がランダムに九九の問題を出すことになります。

教師が問題を出さずに子ども達同志で問題の出し合いをしても良いでしょう。

子ども達がスラスラとかけ算九九言えるようになったかどうかチェックする用紙を用意しておくと,誰がどこまで覚えることができたか把握することができます。

例えば,こんな用紙はどうでしょうか。

例えば,2の段が合格のときは〇月〇日合,2回目の合格のときは合合となります。 2回目以降の合格の日付は、書きません。

合格しなかった場合は記録に残しません。合格した場合だけ記録します。
すると、何回合格したか、はじめの合格はいつかが指導者にわかります。

<1回合格、あるいは2回合格したらOKです>と,子ども達と約束しておくと良いでしょう。

参考としてお考えください。
参考:九九チェック表

最後まで読んでいただき,ありがとうございました。

もっと詳しくかけ算について知りたい,あるいはもっとやり方を教えてほしい方は,下の<お問合わせ>から連絡をお願いします。私(ヒロじい)は,家庭教師もしていますので,ご活用してください。よろしくお願いします。

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