教育実習生Aさんの参観で話をしたことをまとめてみます。
Aさんは,以前,このクラスの授業を見ています。その時は立ち歩く子がいたので,この日は誰も立ち歩かないし,先生の話を集中して聞いていたので,同じクラス,同じ子ども達なのにこんなにも違いがあることに驚いたと言っていました。
とても熱心なAさんは,質問もしてくれたので,それに答える形で話をしました。
教室の前方です。
前から見ることで,子ども達の顔や表情の変化,集中の度合い,動き,態度等々を見ることができます。後ろからだと,子ども達の後ろ姿しか見ることができません。
「学習の始まりの方法がよかったので,真似をさせてもらっていいですか。」
始まりのあいさつは,遊びが終わり,学習が始まる気持ちの切り替えのために,全員を集中させてからしています。
この日は,自分の手のひらをみせて,その中で1番長い中指を意識させて,両手を上にあげ,中指が自分の服(ズボン)の横の真ん中に来るようにまっすぐ下ろしたところで,
みんないい姿勢だね
で,あいさつをしました。
その日によっていろいろです。
1センチ大きくなって
とか,
お隣の人はまっすぐかな?
など。思いつかないときは,当番さんの号令で早く立てた子に
先生が負けた。もう1回しよう!
と座りなおすところから始めることも度々あります。
子どもが書いていることに,
いいねえ!!
すごいね
なぜこう書いたの?教えて
と一人一人に声を掛けながらまわります。全員まわります。後の発表の時に,同じ答えのお友だちがいることを伝えるとその子の自信にもつながり,間違っていても自分だけではないと安心できます。(お互いに顔を見合わせたりもしています。)
ただし,高学年の場合は子どもが求めている時しか行かないようにしていました。教師がうろうろしていることが集中力の妨げになることもあるからです。
子どもが考えているときに,次から次にしゃべってしまうと追いつけなくなって考えようとしない子がでてきます。時間がかかるように感じますが,じっくり待って子ども達が納得できればその方がいいと思います。
子どもが発表した後,先生がもう一度言うと子ども達は発表を聞かなくなります。
なぜなら,聞かなくても先生がわかりやすく説明をしてくれると思うからです。説明の代わりに
そうなんだ
すごい!
よく考えたね
等の言葉で終わります。
今なんて言ったん?
みたいに,聞く子が出てきたら,
もったいないねー。すごくいいことを言ってくれたよ
で,もう一度発表してもらいます。
先生は言わないということが,子ども達にわかると,子ども達は聞くようになります。
「先生が何も言っていないのにみんながノートに書いていたので感心しました。」
学習のはじめに,日付とめあてを書くと,毎回のことなので,指示をしなくても書き始めることができます。
子どもはやることがわかっていると指示をしなくてもできるようになります。
「まとめをノートに書くときに,先生が少しずつ読みながら書いていったので,自分の子どもの時もそうして欲しかったです。自分は書くことが遅かったので。出てきた漢字も説明をしながら大きく書いていたので,分かりやすかったです。」
指導者が読みながら書かせることで,みんなが同じ速さで最後まで書くことができます。
漢字を大きく,漢字の成り立ちも教えながら書かせることで,漢字が苦手で書かない子が書けるようになり,間違えて覚えていた子が間違いに気づけるようになります。
学習の仕方はそれぞれの先生の個性がでます。私の場合はテレビもタブレットも使わず,紙に書いた手書きのもの(フラッシュカード・表・グラフ)がほとんどです。
機器は使いませんでしたが,子どもと指導者の人間関係や指導者の言葉,声の大きさ,子どもへの声掛け,指導者の動き等によって,授業を子ども達にとって分かりやすく,気持ちの良いモノにさせることが可能だと思います。Aさんにとって,少しでも参考になっていればうれしいです。
最後まで読んでいただき,ありがとうございました。
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