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スコット・キャロル著『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』の紹介その5まとめ

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生活の知恵

GAFAとは

GAFAとは,グーグル,アップル,フェイスブック,アマゾンの頭文字を組み合わせた造語です。「この4社は世界征服をすでにしてしまった」と筆者は書いています。内容を簡単に紹介してみます。以下の文章は,全て私が本から適当に抜粋したものです。※印の後の文章は,私・ヒロじいの考えになりますので,ご注意ください。

5.四騎士は「ペテン師」から成り上がった

騎士たちの罪は次の2つのタイプのペテンのどちらかに入る。1つ目は他の会社の知的財産を拝借――盗むという意味であることが多い――する行為。悪質なのはそれを本来とは別の目的に使って利益をあげ,稼いだところでその知的財産を保護する点だ。2つ目は他の誰かが築いた資産を使って,それを開発した人にはできないやりかたで利益をあげることだ。

ここで,質問です。

質 問:GAFAは全てアメリカの企業ですが,4つの世界的な企業がアメリカで生まれたのは偶然なのでしょうか。それとも他の国にGAFAが生まれず,アメリカでしか生まれなかった理由があるのでしょうか。あなたは,どう思いますか。(ただし,本書に書いてある内容を正解とします)

予 想

  • ア:GAFAがアメリカで生まれた理由は,ない。(たまたまGAFAがアメリカで生まれただけである。)
  • イ:GAFAがアメリカで生まれた理由は,ある。
  • ウ:その他の考え

正解は,イ:GAFAがアメリカで生まれた理由は,ある。

騎士がいるのはアメリカ合衆国1つだけだ。アメリカの歴史は,盗みと保護というペテンが四騎士だけの特徴でないことを示している。独立直後のアメリカはまとまりのない新興国だった。チャンスは山ほどあったが,それを活かす力はほとんどなかった。ヨーロッパは比較的平和な時期で産業のイノベーション(産業革命)が花開いており,アメリカの製造業者はとても太刀打ちできなかった。特に重要だった繊維工業は,進歩的な機織り機(その設計はフランスから盗んだ)とその関連技術を使っていたイギリスの織物業者に支配されていた。イギリスはこの産業を守るために,装置やその設計図,それをつくり操作する職人までも,外国に出すことを禁止した。そこでアメリカはそれを盗んだ。財務省は母国(英国)の移民法に違反してもアメリカに来たいというヨーロッパの職人に報償を出した。アメリカは1793年に特許法を改変し,特許権保護の対象をアメリカ市民に限定した。これは知的財産を所有するイギリス人から,この窃盗行為に対抗するあらゆる法的手段を奪うためだった。こうしたペテンの種からアメリカの工業が芽を出し,すくすくと伸びていった。アメリカの産業革命発祥の地として知られるマサチューセッツ州ローウェルは,フランシス・カボット・ローウェルの会社とそれに続く多くの企業によって築かれた。ローウェルは顧客を装ってイギリスの繊維工場を視察し(本当のことだがそれだけではない),設計やレイアウトをまるごと記憶した。ローウェルはアメリカに戻ると初の工場を設立し,国内初のIPO(新規株式公開)を行った(現在のテック業界にもつながることだ)。さらに,窃盗から数十億ドル規模の新しい産業も生まれた。それがコンサルティングだ。アメリカには世界屈指のコンサルティング会社が存在する。窃盗は私たちのDNAに埋め込まれているのだ。

テクノロジー史上で最も有名な“窃盗”

テクノロジー史上で最も有名な“窃盗”はおそらく,マウスで動くグラフィカルなデスクトップ・コンピュータという構想だろう。ゼロックスで実現できなかったそれを,スティーブ・ジョブズがマッキントッシュで完成させた。

フェイスブックの基礎

フェイスブックの基礎は第2のタイプのペテンにある。これはフェイスブックという世界最大の消費者ブランドの販売代理店同士の会議で,何千回も繰り返されてきた。「大きなコミュニティをつくって,そこの所有者になる」ことだ。ナイキは有料でフェイスブックのコミュニティをつくったが,ふたを開けてみたらフェイスブックの間借り人になっていた。いまやナイキの投稿を見るのはそのコミュニティの2%未満だ。その数を増やすには,フェイスブックに広告を出すしかない。ブランドはひどいことをされても黙って従うしかない。

アマゾンはどこに向かっている?

アマゾンがどこに向かっているかは,かなりはっきりしている。①小売業,メディア分野で世界的に優位に立つ。②すべての製品の配送を自社の飛行機,ドローン,自動走行車に切り替える(UPS,フェデックス,DHLよ,さようなら)。

映画『スティング』でポール・ニューマンのセリフにあったように,偉大なペテン師とは,相手がだまされたことに気づかないようにするものだ。事実,映画ではカモが最後の瞬間まで大金をつかめると信じていた。新聞社はいまだに,本当に何が起こったか知らないまま,たまたまそうなったと感じている。実際はグーグルに押しつぶされたのだ。完膚なきまでに。

犠牲者の目を欺いている

四騎士はどこも多かれ少なかれ犠牲者の目を欺いている。ブランド企業はフェイスブックのコニュニティに資金を投入して,あとになってそれが自分たちのものではないと気づく。販売者は新たな顧客を多数獲得できると信じてアマゾンに加わるが,あとになってアマゾン自体と競争していることに気づく。ゼロックスでさえ,スティーブ・ジョブズに同社の技術を教えるだけで,アップルという世界最先端のテック企業の儲けの分け前(10万株)にあずかれると考えた。これらの傷は自業自得と言える。

ビジネスは生物に似ている。死亡率は100%だ。四騎士でも事情は同じで,いつかは死ぬ運命だ。問題は「もし」ではなく「いつ」であり,誰が手を下すかということだ。

Hiro
Hiro

筆者によって,次の騎士としてテスラ,ウーバー,リンクトイン,エアビーアンドビーなどの名前を挙げていますが,今は存在しない会社かもしれません。世界を制覇する会社がどんな会社なのか,自分にはわかりません。いずれ芽を出してくれるでしょう。しかし,今一番問題なのは,優秀な人には並外れた報酬を受け取れるが,並みの人は賃金が上がるどころか下がるかもしれない世の中になってきているということです。これから先,どんな世の中になっていくのでしょうか。ベーシックインカムが常識となり,「考えない人は仕事をするな」という時代がすぐそこにきているのかもしれません。

 

Hiro
Hiro

世界のGDPの80%は都市で生まれていて,毎年,大都市に移動するGDPの割合は増加しているそうです。それは何故なのか,次のように筆者は書いています。

実際は逆のことが起こっている

何年にもわたり,私たちはデジタル時代の到来で「どこでも働ける」ユートピアが現れると信じていた。静かな山あいの小屋に住み,情報のスーパーハイウェイとつながったラップトップで仕事ができるようになると。ところが実際は逆のことが起こっている。富,情報,権力,そしてチャンスは都市に集中している。イノベーションは多くのアイデアが集まるところで起こり,進歩は人間の直接の交わりから生じる。

Hiro
Hiro

ものは考えようで,私たちのDNAは子孫を残すように設計されています。つまり子孫を残すことそして子孫の世話をすることが幸せなことではないでしょうか。最低の生活であったとしても,家族がいて笑顔で過ごすことできれば,それが幸せではないでしょうか。このことを自分に言い聞かせて,孫の世話をしています。(笑)

 

Hiro
Hiro

世界を制覇するような会社の話なんて,一般の人にとっては関係ないことです。しかし,世の中の大きな構造がどうなっていて,社会全体がどういう方向に進んでいこうとしているのか,一人ひとりがきちんと認識する必要があるのではないかと考えました。その上でこれからの自分の人生を決定する方が,より良いのではないかと考え,書籍『GAFA』をレポートにする意義があると思いました。ぜひ一読をお勧めします。

Hiro
Hiro

最後まで読んでいただき,ありがとうございました。

資産形成は,投資信託から。

ためて、ふやして、進化する。ひふみ投信

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