幸福な時間を持つ人、持たない人
アリストテレスの幸福論では、幸福に生きる形は3つあるとした。第一は「楽しく満足して生きる形」、第二は「責任ある市民として生きる形」、第三は「哲学者、科学者として生きる形」である。満足という状態は現実の肯定からくるだろう。現実をそのまま肯定すれば、愚痴は出ない。愚痴の出ない状態は満足の名に値するだろう。
ここで現実の肯定と言っているものはあくまで個人的なことである。例えば認知症の親の介護は辛いものだ。しかし、それを自分で負わなければならないと覚悟したら、その現実を肯定することだ。そこに満足があり幸福がある、とアリストテレスは言うだろう。
普通の場合、哲学者とは哲学で飯を食う人、科学者とは科学で飯を食う人のことだが、アリストテレスはそう思ってはいない。思索を愛する人、真理を愛する人の意味に受け取るべきである。つまり哲学は哲学者が語ってくれる。また科学は科学者が語ってくれる。我々は読書を通じてそれを受け取ることができる。
※「楽しく満足して生きる形」とは、自分の人生を受け入れるということだろう。プロ野球の選手が大事な試合でミスをして、自分のミスで試合に負けてしまったことがあり、その選手が「これが私の人生です」と言ったそうです。この言葉には、人生を受け入れるための合言葉のような気がします。自分の身に何かあった場合「これが私の人生です」と言えるようになりたいものです。
アイソメトリックスで筋肉の衰えを防ぐ
筋肉を鍛えるという発想があるが、これの正体は何なのだろうか。筋肉というものは筋細胞、つまり筋肉の細胞の束でできている。そして筋細胞の中には筋原繊維という細い束が並んでいる筋原繊維の中にはフィラメントという細い糸のようなものが並んでいる。
フィラメントの数を増やす方法は2つあると言われている。1つはアイソメトリックスであり、1つはストレッチだ。アイソメトリックスとは目的の筋肉が全力で収縮した状態を6秒間続けるこれを数回繰り返す。それだけのことだ。これによってフラメントの1部は壊れる。何故かと言えば筋肉が収縮する時、フィラメントの滑り込みがあるわけだが、その筋肉の最高の力が生じる場合には全部のフィラメントが力を出す。また最高の力の2分の1の力が生じる場合には、半数のフィラメントが力を出す。そしてこの時休んでいたフィラメントは5秒ほど休んで、働いたフィラメントと交代する。
80キロのものを両手で持ち上げられる人は、その半分の40キロのものを持ち上げる時フィラメントは半数交代で休むから無理は起きない。ところが50キロに挑戦すると半数交代ができないためにフィラメントの一部が壊れる。そして正体の合目的性はフィラメントの数を増やして要求に応えようとする。その結果筋肉が太くなって50キロの負荷に耐えられるようになる。
この方法をアイソメトリックスと言うのである。これはドイツのマックスプランク研究所の業績の1つとして知られる。
※三石氏は、筋肉を衰えさせないように風呂に入るときに筋肉を鍛えています。たったの6秒間×3セット、いろいろな筋肉を鍛えるための運動をします。それを一日おきに実施します。忘れないように月・水・金と覚えておくそうです。何と合理的でしょうか。別にジムに行かなくても自分の家や公園などで簡単に筋肉は維持できるというのです。コロナのこともあり、ジムを辞めて、早速家で実践しています。
ただし、現実に全力が出るのは火事場のような緊急事態の場合に限られるらしいそうです。いくら頑張ってみても、全力の半分もいかないようです。つまり筋肉が増えるのではなく、フィラメントの減少を防ぐため、ぐらいに考えた方がよいでしょう。
筋肉を鍛えれば膝の関節の状態が良くなるのだ。これは一般的に言えることであって、筋肉を鍛えれば、それにつながる関節の状態は良くなると考えて良い。じつは、関節の部分で骨の頭は軟骨におおわれている。軟骨と言うのは、ヘチマのたわしの空所にコンニャクを詰めたようなものだ、と言う例え話がある。軟骨のヘチマの部分の材料はコラーゲンと言うタンパク質であって、これを作るのにはビタミンCがいる。また、こんにゃくの部分はプロテオグリカンと言う名のタンパク質と糖質の結合物であって、これをつくるのにはビタミンAがいる。こういう材料の面から考えると、膝の衰えを防ぐのにアイソメトリックス一点張りでは不十分なことに気づく。そこで、高タンパク食にビタミンC、ビタミンAを加えた食生活に目を向けなくてはならない。ビタミンAは、合成品ではなく天然品の方がいい。効果が違うのである。
※ビタミンAが含まれる食品を調べてみました。多く含まれる食品は、豚レバー、鶏レバー、ウナギ、バター、鶏卵などの動物性食品です。ビタミンAを多く含む食品は野菜です。特に100g当たり600μg以上のβカロテンを含む野菜を緑黄色野菜と呼びます。ホウレン草、ニンジンなど、色の濃い野菜です。トマトやピーマンも緑黄色野菜として知られていますが、βカロテン量は600μg以下です。摂取量や食べる頻度を考慮して緑黄色野菜として扱われています。
※ビタミンAは過剰摂取もいけないようですね。
病気の予防は医学でなく食生活の問題
生命現象を対象とする科学には分子生物学と量子生物学とがある。これをマスターすることは容易ではない。それにしてもこのアウトラインを修得しておく事は、全ての医学者の責任ではあるまいか。それなくしては病気の理解は不完全と私は言いたい。病気が生体の物質過程であることを認識しないで何ができるか、と私は考える。医学近代化の第一段階は栄養学の導入である。生体で物質交代が行われていることは、誰でも知っている。生体を構成する組織も流動する物質も、全ては間断なく新旧交代している。肌では古い細胞が剥がれ落ちて、新しい細胞へ交代し心臓では細胞内や細胞間の物質が分解して、新たに合成した物質と交代する。前者を細胞回転といい、後者を代謝回転と言う。細胞回転代謝回転の着目点は、どっちにしても物質が失われると言うことだ。それを補充せずにいて異常の回復を願うのは不可解と言わざるをえない。この補充を先決問題とするのが私の栄養学だ。
※まったくその通りだと思います。医者には、病気を予防する知識や経験が乏しいと思われます。だからこそ、透析患者が毎年増えているのではないでしょうか。まさに算術しか考えない医者が多すぎます。これは言い過ぎでしょうか。」テレビなどで病気を予防するための方法を解説する医者がいますが、止めてほしいです。医者は病気になった人を治すことに専念してほしいものです。現代医学で確かな方法が確立されているのは、おそらく外科だけでしょう。私の母親が心臓の手術で完治したのは驚きでした。その他の内科、耳鼻科、循環器科・・・などは怪しいと思っています。はやく三石氏がいうように分子生物学が世の中の常識になり医学が変わることを望んでいます。
笑ってNK細胞を増やせば長寿になる
NK細胞の本名はナチュラルキラー細胞である。キラーは殺し屋の事だからナチュラルキラー細胞は根っからの殺し屋と言ったらいいかもしれない。この殺し屋の手口はすごい。ガン細胞やウイルス感染細胞を見つけると、そのどてっ腹にトンネルを開ける。そしてその側面に何枚かの板をはめて、トンネルが崩れないようにしてしまう。このありがたい働き者の殺し屋を大勢抱える事は身を守る秘訣と言っていいだろう。それには笑いが一番だそうだ。ただし、すきっ腹ではダメなことを大森隆史は観察している。栄養的ストレスが病気などの素地をつくるということだ。
※ なるほどね。笑いと十分な栄養が大事ってことですね。
金さん銀さんの体が小さいのはなぜだろうか。統計によれば30歳を過ぎた人の身長は一年に0.6ミリずつ縮むと言うことになっている。それで計算すると彼女の身長は現在より45ミリほど高かったことになる。では、身長が縮むのはなぜか。その答えは簡単だ。骨が縮んだからである。では骨が縮むのはなぜか。タンパク質の不足が原因になっていると言う事は読者にはすぐわかるはずだ。彼女の背中が丸くなっている。これもタンパク質不足から来ている。
※私も自分の身長が若いときより1cmほど低くなっていて、なぜなんだ ろうと思っていましたが、タンパク質不足だったのかもしれません。
酒と女の不思議な関係
骨はカルシウムの貯蔵庫である。神経の伝達とか筋肉の収縮とか、カルシウム無しにはどうにもならない過程が生体にはいくつもある。従ってカルシウムにお呼びがかかる機会は誠に多い。だからその貯蔵庫の管理は重要な意味を持っている。われわれは貯金を下ろすとき必要な額より幾分多く引き出す。それが人情と言うものだろう。身体におけるカルシウムの貯金も同じように幾分余裕を持って引き出される。これをカルシウムパラドックスと言う。生体は合目的に運営されていると言うのに、これがそうでは無いからである。パラドックスは日本語にすると逆説になる。だからここには合目的性に対する逆説があると言うことだ。つまりこの時、血中カルシウムイオン濃度は適正値を超えてしまう。この上カルシウムイオンは間心臓弁動脈壁などに押し付けられて沈着することになる。50肩も心臓弁膜症も動脈石灰化もこれと無関係ではありえない。まさに逆説だ。
この骨組織からのカルシウムの有利を抑制するホルモンとして、女性ホルモンや軽いとカルシトニンがある女性の骨粗相症が閉経後に起こるのはこのような理由による。さっき女性の脂肪組織の機能としてホルモンの性転換をあげた。ここで男性ホルモンが女性ホルモンに転換する。だからこそ更年期後の女性の肥満を合目的的な現象と見たわけだ。
※私には意味が分かりません。
ワラビやゼンマイにはアンチビタミンがある
アンチビタミンと呼ばれる物質はビタミンを変質させたりすると結合して水に不要なものにしたりして利用を阻害する物質のことだ。このようなアンチビタミンは珍しいものではない。医薬にもそれがある。
馬にだって人間より賢いところがある。それは我々と違って、山菜を好んで食べたりしないことだ。山菜といってもワラビやゼンマイなどの種類の植物に限られているのだが、ビタミンB1の欠乏症として有名なのは、脚気である。
ところで地球の長い歴史の中で生物のDNAは宇宙線にもてあそばれてきた。宇宙線はタバコにニコチンをつくらせ、ケシにモルヒネをつくらせ、シダにアンチビタミンを作らせ、といういたずらをした。アンチビタミンを与えられたシダを食った恐竜は死んだ。結局アンチビタミンのあるシダと共存した時期はあったが、全てのシダが毒を持った時恐竜は滅びることになった。
※本当にシダが恐竜絶滅の原因かもしれませんね。隕石落下説はなんか怪しい、と思っていたんですよね。
居眠りはビタミンB1不足が原因
電車の中の居眠りは日本文化の特色であって、大きな戦争があったにもかかわらず一向に改善されない。末には外国人ばかりでなく沖縄から来た人たちも驚いている。さらにいえばシルバーシートに若者がふんぞりかえるのも日本文化の特色だ。こうした居眠りの文化には山菜料理の貢献がないとは言えないだろう。決定的な対策は電車をなくすことだろうが、それはできない相談だ。
ビタミンB1が脳における神経伝達物質の1つであることを明らかにしている。このビタミンの欠乏は脚気を起こすだけではなかったのである。それは脳内破壊の引き金を引いたのだった。
※ビタミンB1が不足すると、居眠りをしたり、脳症になったりするらしい。しかもシダ類には、ビタミンB1を壊す物質が入っているというから、無知は怖いものである。山菜には要注意ということです。
最後まで読んでいただき,ありがとうございました。