大学時代のボート部の先輩、Tさんから授業をして欲しいという要請を受けて、仮説実験授業「もしも原子がみえたなら」の授業を２０２０年10月17日（土）、「障害青年サポートセンター」で実施しました。
このサポートセンターというのは、養護学校高等部を卒業した生徒をその後もサポートするという目的で設立されたと聞いています。Tさんは、元県立養護学校の教員をしていて今は、そこの理事をしています。
土曜日は、サンデーゼミと題し講師を招聘して、音楽教室、調理教室、性教育、スマホの使い方教室など、卒業生が実生活で困らないような支援・学習活動を推進されているということでした。今回は科学教室ということで仮説実験授業「もしも原子がみえたなら」を実施しました。
授業の冒頭、空気がどうなっているかを予想して絵にする場面で誰一人描けないので、センターのTさんもAさんも「これは、だめだ！ゼミ生はついていけない！」と思ったそうです。
７人参加していたのですが、１人は「違うことをしたい」ということで、2階で別メニューになりました。この辺のところは織り込み済みで、「もし生徒がついていけなかったら別のことをします」と，決めてあったので私は安心していました。動揺することなく仮説実験授業の進め方通りに淡々と進めていきました。途中もう１人、お家の人が迎えに来たので、最終的に５人になりました。
私は、仮説実験授業ができるかどうか心配だったので、授業をする1か月前に一度ゼミ生の様子をセンターに見に来ていました。その時ゼミ生の印象から授業は大丈夫だろうと、私は予想していました。この５人は、18歳の養護学校高等部の学生から24歳？くらいの養護学校を卒業した若者です。現役の学生もいますし、会社で働いている人、作業所で働いている人などいろいろです。
分子模型を作ってもらったり、ビデオを見てもらったりしたのですが、一番よかったのはビデオでした。小林さんが作られた空気を１億倍したイメージ映像は生徒の印象にかなり強く残ったのではないかと思います。
一日中，空気のイメージを大きなテレビ（50インチくらいかな？）につけっぱなしにしていたのですが、「これは、よかったなあ」とTさんに言ってもらいました。目で見えないものを予想することが苦手な人たちにとって空気の様子をゼミ生の脳で何となくイメージすることができたかもしれません。
分子模型についてですが，これは、最後分子模型が出来上がると自然にゼミ生が笑顔になりました。私は「何かを達成したような晴れやかな気持ちになれたからかなー」と思いました。一人だけ作業が遅れて出来上がっていなかった人がいたのですが、Ｔさんがフォローしてくれて全員が出来上がりました。
このフォローがなかなかできないのです。私の現役のときに自分が1人の児童をフォローできなくて保護者からお叱りを受けたことがありました。できるだけ全員を同じところまで引き上げる、これができているサポートセンターは素晴らしいと思います。全員で撮った写真には，全員が満足した笑顔をしています。この笑顔だけでも大成功だったことがわかります。
ゼミ生には最後、感想文を書いてもらいました。みんなうれしい感想を書いてくれて私も大満足で終わることができました。ただ、全員に楽しさ度とかしこさ度に〇がついたかの確認ができなくて、私のミスです。「ここをチェックしなくて、どうすんの！」とサークルの仲間から言われそうです。「ごめんなさい」
改めて、仮説実験授業のすごさが感じられた１日でした。サポートセンターのＡさん、Ｔさん、お世話になりました。ありがとうございました。
＜感想＞とてもたのしかった。とてもかしこくなった。
＜感想＞もしもげん子が見えたならべんきょうになりました。たのしかった。
＜感想＞理科の勉強をして、ぶんしもけいをきれいに作って、あと空気中の原子と分子の話がわかってきてかしこくなりよかったです。
＜感想＞今日は、空気の分子がいいべんきょうになったので、おもしろかったです。
＜感想＞原子の色々な色をのりでピタッとくっつきました。おそいのやはやいの見てとってもびっくりしました。これからもけんこうに気をつけたいと思います。
久しぶり（３年ぶり？）の授業で，仮説実験授業をするのがやっとで，感想を書いてもらうのに一人ひとりの評価のチェック（各ゼミ生による授業の評価ができているかどうか）が甘くなっていました。反省します。
最後まで読んでいただき，ありがとうございました。
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