仮説実験授業「溶解」(第2回)の報告
2024年11月9日(土),サンデーゼミにおいて「溶解」(第2回)を実施しました。参加者は,ゼミ生が9名の参加で合計13名でした。私の予想に反して大人数になり,楽しく授業を進めることができました。
今回も授業の様子をあなたにお伝えできたらと思います。最後までゆっくりご覧ください。
新しく科学教室に参加された方が3名居られたこともあり,「溶解」1回目のおさらいをしました。もう一度,大事な言葉の約束を確認しました。
それは,
というものです。
試しに,スプーン1杯の食塩とでんぷんをコップの水に別々に溶かしてみました。食塩は水に溶けて,透明になりました。でんぷんは水に溶けないで,コップの底に粉が残りました。そこで言葉の約束にもどって「食塩は水に溶けたといいます」「でんぷんは水に溶けていません」と確認しました。
その後,問題のおさらいとして,砂糖や硫酸銅を水に溶かしたものが明日,どうなっているかの予想をしてもらいました。もちろん,砂糖も硫酸銅も水に溶けたままです。そして,次のことを確認しました。
以上,を踏まえた上で今回の授業を進めていきました。食塩が100gの水にどのくらい溶けるのかみなさんに予想してもらいました。そして,食塩を10gずつコップの水(100g)に溶かしていきました。
あなたは,食塩は何グラム水に溶けると思いますか。あなたも予想してみてください。
ゼミ生のみなさんは自分で食塩が何g溶けるか,だいたいの予想をしているので,実際何g溶けるのか興味深々でした。食塩を10gずつ水に溶かしていきました。
そうです,実験結果は,イ.10gなら溶けるが,50gはとけない,が正解でした。
次は砂糖で実験しました。さて,砂糖は100gの水に何グラム溶けるでしょうか。あなたは,どう思いますか。あなたも予想してみてください。
ゼミ生も予想しました。ゼミ生の中には,普段から料理をよくしている方がいて,その方は自分の経験から「砂糖は水にいくらでも溶けるだろう」と発言しました。その意見に賛成して2人のゼミ生が自分の予想を「いくらでも溶ける」に替えました。
人の意見を聞いて自分の予想を変更することはとてもいいことです。ただし,それが正解かどうかはわかりません。正解かどうかは,実験で決まるのです。いよいよ実験です。
しかし,砂糖は水にいくらでも溶けるというわけではありません。100gの水におよそ204g溶けるのです。
ゼミ生のみなさんは,驚いていました。食塩と砂糖では,水に溶ける量が大きく違うからです。
最後に,ものは水に溶ける分量が決まっていることを学びました。飽和溶液(ほうわようえき)についても学びました。ものを水に溶けるだけ溶かしたとき「飽和」したといいます。100gの水に溶ける分量はものによって違うのです。
また,水の温度によっても違うのです。それを棒グラフにしてゼミ生に見てもらいました。砂糖の溶ける量の棒グラフを見たときには「えー」という歓声が起こりました。それほど棒が長かったからです。写真を参照してください。
私は,今回の授業を通して予想することの大切さを学びました。実験の前に予想すると,実験結果が気になります。自分の予想が当たったら,「やっぱりそうか!」と確信できます。反対に間違っても「そうか,違うのか!」と学ぶことができます。つまり「どっちにしてもシメタ‼」なのです。
もう一つ,何回も科学教室を受けているゼミ生は,自分の直観より科学で学んだことを大切にしていることが分かりました。それは最後の問題です。氷砂糖をコップの水の中に入れて,一日置いたままにすると氷砂糖は水に溶けるでしょうか?,という問題でした。
普段から科学教室によく参加しているゼミ生は,学んだことを受け入れて,全員が正解しました。これは見事でした。私がしている科学教室は,ゼミ生に良い影響を与え続けているのではないか,と思えた瞬間でした。
いつものように何気なく使っている食塩と砂糖,同じような白い粉なのに溶け方が全く違うことを学んだ半日でした。
今回,感想を書いて頂く前に,ゼミ生のみなさんにお伝えしたことがありました。それは,感想の書き方についてです。私は次のように言いました。
「みなさんは,終わりに授業の感想を書いていますが,自分の考えや気持ちを今までよりも,もっと詳しく書いて頂きたいのです。自分が知らなかったことを学んだときは,その文章をそのまま写してもいいんです。また,授業が楽しかったとしたら,何が楽しかったのか,どんなところがよかったのか書いてください。反対に分からなかったら,どこの部分が理解できなかったか,私に教える感じで書いてください。よろしくお願いいたします。」
正解は,実際にゼミ生の感想を読んであなたが判断してください。私の判断はこのレポートの最後に書いておきたいと思います。
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砂糖の水をかきまぜるのが楽しかった。分からないことはほぼなかったです。とっても楽しい勉強になりました。(Iさん 5,4)
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氷砂とう,ぜんぶとけてよくわかった。(Yさん 5,5)
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氷砂糖がとてもわかりやすいでした。食塩がとける,とけいないがわかりにくかったです。(Uさん 4,4)
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食塩が水にとける量は温度によってきまっていて20℃の水なら100gの水に35.9gまでとけて,それ以上はとけない,ことが初めて知りました♪♪砂糖は,水によく溶けることもわかりました♪♪海水の水の中に食塩が100g中2.7gほどです。海水の塩の濃さがわかってよかったです♪♪(Sさん 5,5)
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いろんなじっけんをみて,とけたりとけなかったり,いろんなのみてしりませんでした。(Hさん 4,4)
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氷砂糖が溶けたのが楽しかった。自分が出した答えが正解できてよかったです。(Kさん 5,5)
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とても勉強になりました。木下先生と実験うれしいのです。はじめはわからなかったです。また実験やりたいです。(Iさん 4,4)
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こおりざとうが,ぜんぶとけたこと,とてもよくわかった。きれいにきえたサトウは全部とけたまま,とてもたのしかった。(Nさん 5,5)
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ひさしぶりの科学にさんかして,さとうが水にとけないかのところで,むずかしかったような気分がしました。(Hさん 4,2)
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さて,ゼミ生の感想を読んでみて,あなたはどのような感想を持たれましたか。私の判断は,<今までと違った感想になった>です。
ゼミ生は,今までの感想より,より具体的に書いているように思うのですが,どうでしょうか。これからも,このような感想をどんどん進めていただけたらいいなあーと思っています。
最後まで,読んでいただきありがとうございました。
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