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茂木誠『戦争と平和の世界史』の紹介(TAC出版2019.5)

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生活の知恵
Hiro
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このブログを読んで頂いている方に,ひとつの考え方を知ってもらいたいと思い,今回は茂木誠著TAC出版2019.5『戦争と平和の世界史』から抜粋します。

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歴史というのは、国内・国外の社会情勢や社会の人間関係、教育のあり方、経済など複雑なものが絡み合って進んでいきます。

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私にとって歴史は受験をするだけの科目であり、暗記するだけのつまらない教科でした。だから大嫌いでした。だから、ほとんど勉強しませんでした。

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しかし、世界史の予備校の講師である茂木さんのYouTubeや著書から、たくさんの刺激をもらっています。歴史って面白いものだと教えてくれました。日本や世界の歴史を学べば学ぶほど故人の生き方の素晴らしさと情けなさとが交錯し複雑な気持ちになります。

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私は作られた法令を守る方の人間であり、官僚や政治家は法令をつくったり、組織を動かしたりする人間になります。

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太平洋戦争に参加し、亡くなった方は230万人、その他民間人などを合わせると300万人以上になるといわれています。その中には餓死による死亡も多かったと聞いています。

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当時の国際社会情勢を考えると戦争に突き進むことを止めることは相当難しかったかもしれませんが、もっと戦死者は少なくできたのではないかと思っています。戦争を進めるのも止めるのも支配する側の人間が決めます。

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決断できる者の中で,その人間の考え方が問題になります。その人の考え方をつくるのが教育や社会情勢だと考えると教育が人間に影響を与える大きさが理解できます。

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前置きが長くなりました。早速『戦争と平和の世界史』のp.318から抜き書きしたいと思います。

石原莞爾には明確な戦略がありました。「支那とは早く和議を結び、対ソ戦に勝利し、将来の対米戦に備えて満州を基盤に国力を蓄える」とうものです。

東條英機の戦略はどのようなものだったのでしょう。陸軍次官時代の東條は、軍人会館(現在の九段会館)での演説でこう述べています。

「支那事変の解決が遅延するのは、支那側に英・米とソ連の支援があるからである。したがって事変の根本解決のためには、今より北方に対してはソ連を、南方に対しては英・米との戦争を決意し準備しなければならない」

中国と戦いながら、ソ連とも米・英とも戦うというものです。二正面作戦を避けるという、戦略のイロハのイもわかっていなかったことになります。これでは負けて当たり前です。石原が東條を悔蔑(ぶべつ)していたのもわかります。そもそも昭和の陸軍大学校というのは、いったい何を教えていたのでしょう。

これは東條に限ったことではなく、石原を除く昭和期の将軍たちの大半が、大局的な戦略思想に欠けていたのは致命的なことでした。戦略がないから行き当たりばったり、成り行きまかせで戦争を行い、戦線を無限に拡大させて泥沼化させたのです。

外交官も同様で、明治期の陸奥宗光や小村寿太郎のような大局観をもった人物が出ていません。「焦土演説」の内田康哉外相も、「トラウトマン工作」を潰した広田弘毅外相も、ひたすら世論に迎合し、マスコミ受けする言動を繰り返しただけです。

なぜこうなったか。

Hiro
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あなたは,どうしてこうなったと思いますか?

Hiro
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茂木さんは,次のように書いています。

教育の問題だと思います。

東京帝大にせよ、陸軍大学・海軍大学にせよ、あらかじめ決められた模範解答案にいかに早くたどり着けるか、という情報処理能力ばかりを競ってきたのです。現実の国際社会で起こることは、日々刻々条件が変わる中で臨機応変に対処しなければなりません。

ところが受験エリートであるほど、臨機応変ができないのです。変化する現実に対して常に硬直した対応しかできず、一度決めたことは変えられないのです。それが模範解答だからです。

さらには、学生時代の人間関係、先輩・後輩関係が官庁に入ってからも上司と部下の関係として継続します。実務能力より人間関係が重視され、国益よりも組織防御が重視されます。部内の失敗は隠蔽され、他の官庁とは情報の共有さえできません。

東大を何位で卒業しました、陸大・海大を何位で卒業しましたという学歴だけで出世が決まり、実務についてからの業績は軽視される。陸大・海大卒の超エリート軍人たちが、実際の戦争指導で致命的なミスを犯して多くの兵士を死なせても、左遷も降格もされずに出世街道を進み続ける。

ミッドウェー海戦で大敗した南雲忠一、ガダルカナルの戦いで大敗した辻正信、いずれも明確な責任もとらされずにだらだらと戦争指導を続けています。

そしてこの学歴偏重・年功序列の人事システムは、敗戦後も踏襲されて今日まで続いているのです。霞が関の高級官僚の皆さんには、胸に手を当てて自問していただきたいものです。あなたのその判断は、国益のためですか?省益のためですか?

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学歴主義と情報の軽視、補給の重要性を考えないような参謀本部が日本軍を動かしていたとしたら(これが本当だとしたら)唖然とします。

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日本のために多くの上層部が賢明に考えていたことはよくわかります。大変なことだったと容易に予想できます。しかし、中には「えっ、こんなので日本全体を動かしていたの?」と思えるような考え・行動をした人もいます。

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また、マスコミ(新聞・ラジオ等)の購読数が良くなればいい、お金が儲かればいいという安易な考えには残念でなりません。冷静に考えると今の日本も当時とそう変わっていないような気がします。ですが、命令される側の人間にとっては、悲惨です。300万人以上の人命が失われました。

Hiro
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だからこそ、こんな戦争を二度としてはいけないので、あの戦争を徹底的に検証して国の防衛をどうしていくのか国民で議論しなくてはいけません。

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しかし、今の日本にはそんな気配は皆無です。人が人として生きる権利や自由を勝ち取ってきた歴史には、国という存在があります。国という存在・組織は、おそらくここ数百年は変化することはないでしょう。

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はるか遠い将来、国という組織がなくなるかもしれませんが、それまでは国と国との関係をどうしても考えなくてはいけません。いつの日か仮説実験的認識論が国同士の関係にも影響を与えられるようになればと思っています。

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私は,仕事をしていません。年金生活者だからです。

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仕事をしないということは自由な時間がたくさんあり、考える時間・本を読む時間がたくさんあるということです。そういう点から考えると、今の世の中の人は忙しすぎるのかもしれません。忙しいと仕事に忙殺されて、ゆっくり考えることができないからです。

Hiro
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教育の問題についても文科省の存在意義から根本的に検証するべきでしょうが、これまた難しいでしょう。

Hiro
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今の日本の指導部にも日本国の存在権確保および日本人の幸福を最大限に考えるという明確な哲学がないのかもしれません。そう考えると明治時代の先人は本当に素晴らしかったと思えます。

Hiro
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私は日本に生まれ,日本人として生きてきましたが,もう一度教育や国の仕組み,政治について根本的に考える時期にきているのではないでしょうか。

Hiro
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でも,この国の制度は変わらないでしょうね。自分で自分のことを変えることができないのと同じです。

Hiro
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私は,これから先何に期待したらいいのでしょうか。

個々人は自分の幸せだけを考えたらいいのでしょうか?

それが一番いいのかもしれません。

Hiro
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最後まで読んでいただき,ありがとうございました。

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